企業理念
商人が作る未来
商人は文化を運ぶ。物だけではなくその背後にある文化をも商人たちは土地を超えて伝えてきました。
北前船と呼ばれる廻船問屋が日本海航路を開拓したのは江戸時代のことです。北海道の海産物を直接大阪まで運ぶ事が出来たのはこれ以降ですが、代表的な物産の一つが松前昆布でした。いまは当たり前となった大阪のお出汁の味が広まったのはこれがきっかけだったそうです。昆布以前と昆布以後ではっきりと分かれる大阪の独特な文化が形成されたのはこのためだったと言われています。また北前船が北に向かう際に積み込んだ大阪の物産を途中の寄港地に卸していったため、鳥取・福井・新潟・山形といった各都市は日本の裏側にありながらも進んだ文化を育むことが出来たのです。
商人は生産者と需要者を商品の売買でつなぎますが、物と同時に文化も運んだということの好例ではないでしょうか。
私たちは人々の生活にまつわるモノを運ぶとともに、その背景にあるストーリーや文化的な意味に常に注目してきました。私たちが世界のデザイナーやファクトリーと、日本のバイヤーや消費者をつなぐことで、文化の壁、そして国境が少しでも低くなることを願っています。
パスポートの要らない外国を
とはいえ、日本人にとって海外はまだまだ遠い存在であることも事実です。
言葉の壁だけではなく、海外への渡航や外国人との交流は精神的にも億劫だったりします。そしてなかなか一朝一夕には変わらないことでもあると思います。
それでも身に付ける物や普段の生活で使う物を通じて。またはそれらを扱うお店で、少しでも物の背景にある外国を感じてもらえればと私たちは願っています。そのために私たちのお店では販売に携わるすべてのスタッフが、商品だけではなくそれらが生み出された国や地域に興味を持ち、大人から子どもたちまですべてのお客様に何かを伝えるために学びや気付きを大切にしています。
市民外交
ビジネスはお互いの利益を最大化するための、一人勝ちの出来ない関係作りです。
ビジネスを通じて知り合えた人々と争おうとは思わないのが人間だと私たちは信じています。
いま世界はどんどん尖がっていき、国家の動悸が激しくなる一方であることを感じない日は無いと思います。でも一人でも多くの日本人が一人でも多くの外国人と知り合う事が出来れば、そして出会いを作り出すことが出来れば、きっと未来は少し良くなるのではないでしょうか。
外交とは武力を伴わない国と国の交渉ですが、外交官だけではなく商人にも市民外交という可能性があると私たちは考えています。商人が作るより良い未来のために、私たちも一人ひとりの日々の仕事を追求したいと思います。